見ているこっちがどっちらけ! 安倍晋三首相の“親派”は石破茂元幹事長を「自民党政権の野党勢力」と位置づけている様だ。 今回の総裁選で争点となっているのが「憲法改正」の是非。憲法9条に「自衛隊」を明記したい安倍に対し、断固反対の姿勢を貫く石破の姿は「自民党員とは思えない。反対、反対を連呼する野党議員と同じ」と自民党安倍親派。「自民党から出ていけ」と言わんばかりだ。 そもそも自衛隊の任務は多岐にわたっており、単なる「戦闘部員」だと思っている国民は皆無だろう。昨今、頻発している激甚災害の出動は勿論、海上などの領海や領空の警備、偵察なども自衛隊の基本活動。又、救助困難な事件、事故などにも彼らは活躍している。 そんな自衛隊だが有事には彼らが先陣を切って国家防衛に務めなければいけない。ところが現憲法では「自衛隊」の文字が抜けており、有事になっても我が国は指を咥えてみているだけ、という形になっている。 安倍はその辺りを改善し、基本的には現憲法の「専守防衛(国家を守るためだけに防衛する)」を堅持。その中で自衛隊の枠組みをもう少し広げたい、という考えだ。 一方、石破は「今、ここで改憲する必要はない。戦力不保持の9条は変えてはいけない」と“徹底抗戦”。改憲するには全国民の同意が必要で安倍の“気分”で簡単に変えてはならない、というスタンスを見せている。 双方、非常にまともな考えである事は間違いない。野党が大合唱している「戦争反対」も隣国である中国、北朝鮮の脅威には「単なる妄想」でしかない。自分の国は自分で守る時がきており、安倍の主張はごもっともだ。 とはいえ、石破の主張である「改憲が性急すぎる」も頷ける。国民の同意がないまま改憲が成立するとなれば、この先、「現憲法は時代にそぐわない」が理由でイタズラにどんどん改憲されてしまう恐れがあるからだ。 あくまで、“現憲法は堅持しながら、有事には特例で憲法の枠を超えた判断をする”というのが理想だが、それも簡単な話ではないところ。憲法改正は非常にナーバスなテーマなのだ。 結局のところ、安倍が「改憲」「改憲」と訴える本当の理由は、単なる「意固地」。「言うだけ番長」には絶対になりたくない――という子どもじみた意地だけ。「私は有言実行オトコなのだ」を世間にアピールする事が「デキる総理の姿」だと思っているのかもしれない。 まさに、そこが安倍のアキレス腱。一般人でも解る彼の短所を攻撃できない石破も石破だ。あの「目つき」はハッタリなのか……。 石破追放を目論む安倍親派だが、ハタからみれば自民党内の茶番劇でしかない。欽ちゃんではないが「見ているこっちがどっちらけ」だ。
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